最後のセルアニメ『サザエさん』
2022.03.26アニメーション学科
大阪デザイナー・アカデミー|イラスト・アート・コミックイラスト・マンガ・アニメ・CG・ゲーム・
グラフィック・フィギュア・特殊メイク・インテリア・プロダクト・フィギュア・ファッション・アクセサリーの専門学校
先日、『徹子の部屋』にゲスト出演されたビリーバンバンさんの活動を聞いて、励まされたアニメーション学科長の森です。
アニメーションと言えば
3Dアニメーションが常識となってしまった今日。ディズニーをはじめ、世帯中の商業アニメは、デジタルで制作され3Dでキャラクターや背景が作られてコンピュータが動きを作ることがあたりまえとなっている今日。つまり、アニメーターってパソコンに向かって作業する人たちというのが常識となりました。ですが、それは、アニメーションのあるジャンルの話しであって、アニメーションの技法の一つであって、パソコンを使うと便利なことが多々あるだけであて、世界中のアニメーション作家の制作技法をみると、さまざまな作り方がされています。アニメーションの作り方は無限にあると言っても良いのです。
わたしたちが目指す
日本のテレビアニメの作り方をとり上げてみると、一枚一枚、アニメーターが手書きで描いて動きを作っていく制作の仕方が行われています。もちろん、紙に描くだけではなく、タブレットにタッチペンを使って描いたり、デジタルでキャラクターの着彩を行ったり、手描きと言えどもデジタルの力を頼っていることには違いはありません。その昔は
セルという透明なシートに、アニメーターが紙に描いた線画を、特殊な技術をもったプロフェッショナルのスタッフが、ペンでトレスを行い、筆を使って絵具でひとつひとつ塗り絵をしてキャラクターたちの動きを作っていったのです。アニメーション学科も、現在こそパソコンを設備して、全員がパソコンに向かってアニメ作りができる環境を手に入れましたが、フィルムで映画を作っていた時代は、セルを使って制作していました。
これらは
その頃に使っていた、セルの色塗り専用の「アニメカラー」です。この春休み中、校舎内が様変わりし、1階と2階が大きく様子が変わります。
それに伴って、アニメーションの先生たちの居場所も変わることになり、40年間捨てずに残してきた様々な古いものを廃棄することにしました。
中には、博物館に並べるべき物もありましたが、教室を広く使うことの方が大事と、泣く泣く処分することにしました。
その中に、セルやアニメカラーといったアニメ制作の遺物もありました。
昔はこんなふうにして
アニメーションを使っていたんだよって、事ある度に見せて来たのですが、時代の流れでしょうね、学生たちに響かなくなりました。太陽色彩(太陽色彩株式会社 ANIMATION. PAINT)さんごめんなさい。大変お世話になりました。これを機会に断捨離いたします。
太陽色彩とは、アニメカラーというセル画専用の絵具を作ってくれていた東京の会社です。我々アニメーション学科だけでなく、トトロやナウシカ、宇宙戦艦ヤマトもガンダムもセーラームーンも、みんなお世話になった絵具会社です。
倉庫と言えば聞こえが良いですが、物置にしていた部屋の結構なスペースをしめていた絵具を、思い切って産業廃棄物として破棄しました。
それと同時に
こんなものも出てきました。
最後の、セルを使って制作されていたテレビアニメである『サザエさん』の背景付きセル画です。
5000話、6000話を越える話数なので、デジタルに変わる直前のものですね。
こういうふうに、裏側から着彩していたんですよ。
目玉や口は先に塗り上げておくのです。乾いたら、顔の全面を着彩。ひとつひとつ乾かしながらの作業ですので、1枚塗りきるのにとてつもない時間がかかりました。昔は、そのようにしてアニメを作っていたのです。
歴史的なものなので、捨てることができませんでした。
新しいことにチャレンジするためには、捨てなければならないものは必ず出てきます。
ですが、これぐらいはスペースも取らないのでもうしばらく資料としておいておこおっと。
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