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大デ・アニメーション学科の授業紹介③

2025.04.26アニメーション学科

大阪デザイナー・アカデミー|イラスト・アート・コミックイラスト・マンガ・アニメ・CG・ゲーム・
グラフィック・フィギュア・特殊メイク・インテリア・プロダクト・フィギュア・ファッション・アクセサリーの専門学校

同じく太平洋戦争戦場で戦争を経験し大切な人を失った水木しげるとやなせたかしが、真逆ともいえるタッチとテーマでマンガ活動していた姿をあらためて気づかされ、お二人の功績に感慨にふける大デ・アニメーション学科長の森です。でも、真逆と言えども戦争に対する思いは共通しています。

◆1年生実習「デジタルワーク」

アニメがデジタルデータで完成させて納品・放映されるモノですから、パソコンの操作についての学習はとても大切です。
「デジタルワーク」はそのパソコンの操作とアニメ制作に必要なソフトの使用についての基礎を学ぶ授業です。
新入生の最初の課題は、画面作りの実習です。
キャラクターと背景を一つの画面としてまとめる作業を学びました。

イラストレーション、コミックイラストの場合は常識的にキャラクターも背景も一人のイラストレーターが描ききります。ですが、アニメ制作の場合はキャラクターと背景は、別々のスタッフが別々の作業で分業作成し、撮影という作業で合成され一つの画面として完成します。

まず、宿題でオリジナルキャラクターを線描きで用意し、第一回目の授業で彩色しました。

背景は、撮影して持参した画像を利用しました。
その二つのデータを一つの画面にまとめます。

AdobeのPhotoshopというソフトの、様々なツールを使用して、画面のをより良く仕上げるテクニックについて学習しました。

アニメはこのようにして、一つ一つの画面(カット)とシーンを作りためて、それらのカットをモンタージュして作り上げていきます。

◆1年生実習「デッサン」

第一回目の授業で「人間の目は騙される」ことを学習しました。第二回目は騙されないためのテクニック「計り棒の使用」です。

面取りと呼ばれる角像を教材として使用した石膏像鉛筆デッサン。面取りなので点を見つけて線で繋げて対象をデッサンしていくことが可能です。
線だけで描いて陰影の描写はこの第一回目の課題では行いません、大デ・アニメーション学科のデッサンカリキュラムの特徴です。
デッサンの本質は陰影を描写して対象の石膏像という立体を平面の画面にどのように表現していくかがテーマですが、アニメーターに問われるスキルは、陰影描写以前に先ず造形の観察と線画による模写力です。なので、線画だけで描写できる角像を対象にした課題から取り組みます。

ですが、線描きであっても立体的に描写するテクニックはあります。
描く線のタッチの強弱を利用して奥行き感を表現するのです。
風景画でも使用されるテクニック、通期遠近法の理屈を利用するのです。

線の強弱を使って空気遠近法を利用すれば、等角図法で描かれた図形でも奥手前の差をつけることができます。(画像の左上の立方体のスケッチです。)
さらに、アニメーターに必要なパース(透視図法)のテクニックを使えば画像の下のスケッチのように、より立体物として表現できるでしょ。

角像を対象にして、観察することを学んだ新入生たちは、いよいよ次回は丸像を描写します。
マンガのように線で描くことができなくなりますのでとたんに観察も描写も難しくなります。
ですが、計り棒の扱いを知った皆なら、正しく観察することができるはずです。

◆1年生理論「アニメーション概論」

アニメ作家研究の二人目は、大デ・アニメーション学科卒業生第一期生の森本晃司先輩の作品を鑑賞しました。

1987年に発表されたOVA「ロボットカーニバル」から森本晃司監督の監督デビュー作品「フランケンの歯車」を、「MEMORIES」から「彼女の想い出」。さらにGRAYのプロモーションビデオ「サバイバル」を鑑賞。
年代順に一連のアニメーションを続けて見ると、アニメーションの表現技術の進化がよくわかります。特に、手描き・セル・フィルムで制作されていた時代から徐々にデジタルが導入されてCGが加わってくる、その時代ごとの変化が手に取るようによくわかります。
「サバイバル」ではカメラワークのトラック・アップ トラック・バックが登場します。「千と千尋の神隠し」の2年前です。
まさに昭和平静をまたがるアニメ技術の進化を目の当たりにすることができます。偉大な卒業生です。

アナログアニメの金字塔「AKIRA」も鑑賞。

今ならCGやAdobeAfterEffectsで作ってしまう画面や動きをアニメーターたちが全力で描いているアニメ映画です。

◆1年生実習「アニメーション原理」

アニメの制作において、動画を描くことは大切な作業でアニメ制作のキモとも言えます。その動画作成の基礎と動きを描いて表現することの原理について演習しながら学ぶ実習授業です。

大デ・アニメーション学科には「Lunch Box(ランチボックス)」という便利な、テスト撮影のための設備があります。

なぜランチボックスという名称の器械なのかというと、ほら、見たとおりまさしくお弁当箱でしょ。
テスト撮影、テスト撮り、ペンシルテストなどと業界では呼ばれますが、大デ・アニメーション学科で40年以上も前からラインテストと呼んでいます。

「アニメ原理」第3回目の授業ですが、一つ目の動画課題が出来上がってきた学生は、さっそくこの器械を使ってラインテストを始めました。

動画用紙に描いたアニメの動きを一枚ずつ撮影すれば、撮った直後に画面で動きを確認することができます。
flipping(フリッピング)やパラパラだけでなく、撮影してその場で動きのチェックができるのです。

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おでかけひよこ おでかけひよこ まずはオープンキャンパス来てや〜