シーンを色彩で演出することを999から学ぶ
2024.10.02アニメーション学科
大阪デザイナー・アカデミー|イラスト・アート・コミックイラスト・マンガ・アニメ・CG・ゲーム・
グラフィック・フィギュア・特殊メイク・インテリア・プロダクト・フィギュア・ファッション・アクセサリーの専門学校
写真に撮られるときはピースでもなくブイサインでもなく新幹線の前ではイヤミのシェーポーズが定番だった世代の大デ・アニメーション学科代表の森です。
映画『銀河鉄道999』は
邦画でアニメーション映画でこんなに観客を集めることが可能なんだとアニメーション業界に勇気を与えた大切な作品のひとつです。
興行成績においても、宇宙戦艦ヤマトでヒットをはなった東映動画ですがその時は収入の全てが製作会社に入ったわけでなく、しかし今回は会社の予測を大きく上回るファンが映画館に足を運び、高収入を手に入れることになりました。
今でこそ、邦画の興行成績の上位はアニメ作品がラインナップされるのが当たり前ですが、映画999がアニメが動員数を稼ぐことを経験しその後『となりのトトロ』が邦画において作品の評価で実写を抜き、日本映画界の常識が大きく変化を見せます。
つまり、映画『銀河鉄道999』というアニメは、劇場版『鬼滅の刃』無限列車編や『千と千尋の神隠し』や『君の名は。』に負けないアニメ作品だと言えるのです。
そんな999を、ちょっと違った側面で評価
しているのが大デ、アニメーション学科です。
背景美術で観賞すると、シーンごとに色相に変化をつけて、色彩に工夫を演出したアニメ作品です。
もちろん、原作・松本零士氏のメカデザインやキャラクターデザイン、建物のデザインも個性的で魅力的ですが、鉄郎の回想シーン、タイタンの空、冥王星のシーン、トレーダー分岐点の惑星ヘビーメルダーでの空の色彩も見どころです。
アニメの色彩というと、画面に登場するキャラクターや物の部分の色や画面の映っている何かしらの色が目につきますが、美術の色彩について演出されている作品を観察すると、画面や物の色もさることながら場面(シーン)によってドミナント配色にこだわりを持って演出されていることに気付きます。
監督のりんたろう氏のイメージも素晴らしいでしょうが、美術監督椋尾篁さんの仕事の素晴らしさが際立ちます。
わたくしの世代で声優と言えば
今のように、アニメのヴォイスアクターというよりも、洋画の吹き替えの役者さんたちという認識です。
メーテルのアテレコを担当した池田昌子さんは、私たちの世代では『ローマの休日』のオードリー へップバーンさんの吹き替えの声優さん。
なので、りんたろう監督と池田昌子さんにサインしてもらったこのジャケットは宝物です。