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新学期! アニメーター学科ではなくアニメーション学科なのだから【後期授業紹介】

2025.09.08アニメーション学科

デザインの専門学校 大阪デザイナー・アカデミー(旧:大阪デザイナー専門学校)

『あんぱん』の室内に飾られている犬の置物に目が行ってしまうアニメーション学科長の森です。

プレスクール、入学後の最初の学期では

純粋に、アニメーションは動いて楽しい事をあらためて気付いてもらう、また、一つの画面を充実させるためのテクニックを学ぶ授業が中心でした。そして夏休みが明けて新学期、後期になり、アニメーションの映画としての魅力の深さを知り益々アニメの面白さを手に入れていくことができる授業が、この後期にはカリキュラムされています。

1年生理論【映像演出論】アニメーターの活躍する作品と映画演出に長けた作品

PIXARの短編アニメーション『ルクソーJR』と『ゲーリーじいさんのチェス』の見比べを行いました。

『ルクソーJR』はワンシーンワンショットで作られたアニメーション、『ゲーリーじいさんのチェス』はカット割りを使った映画演出されたアニメーション。二つのアニメーションを見て、どちらの作品に関心が高かったか、好きだったかで、アニメーター度を計ることがことができるんです。

『ルクソーJR』は、アニメーションの画面を舞台に見立てて、その舞台の上で二つのキャラクターが演技を見せるアニメーションです。
ふたつのキャラクターはフルショット(全身です)で映っている構図。アニメーションの最初から最後まで、その構図(サイズもアングルも)は変わることなく、ふたつのキャラクターの芝居を映します。
キャラクターは擬人化された電気スタンドの親子ですが、顔があって目鼻口がついているわけでなく手足もありません。ですが、まるで生き物のように表情豊かに動いて見せるのです。セリフもありません。

動きのテンポ、緩急も絶妙です。キャラクターの動きで全てを語るそれは、アニメーションならではの技です。アニメーターを目指す人であるならば見習ってほしい作品ですし、目標にしてほしい作品です。

方や『ゲーリー爺さんのチェス』は、うってかわって映画技法を存分に使ったアニメーション映画です。
まず。カット割りがされた映画ならではの作り方がされています。
その結果、午前の早い時刻から陽が傾いた夕刻までの一日の出来事が10分足らずの作品時間で表現されています。
しかも、途中から、おじいさんが二人いるかのような錯覚に落ちてしまうのです。
これって、ワンシーンワンカットでは表現できない映画のマジックです。

さらに、一つ一つの画面には緻密な工夫がされています。
色彩。
音楽。
アングルの使い方。
影を使った時間経過表現。
おじいさんのキャラクター表現の演技は秀逸なアニメーターの技ですが、それ以上に映画演出の技が冴えたアニメーションです。

アニメーターを目指す人は、『ルクソーJR』を見て、やられた! って思ってほしいですし、『ゲーリーじいさんのチェス』を見て、何よりも映画演出の深さを感じて映画に興味を持った人が増えてほしい、そんな願いを学生たちに伝えた授業でした。

2年生理論「アニメ総論」

2年生最終学期の理論教科授業です。
「アニメ概論」「映像演出論」「演出技術論」とつながってきたアニメ作品や映画を鑑賞しながら作品研究作家研究する座学の最終節は、学科のアニメ作品ライブラリーの蔵出し上映授業です。

第1回は、昨今、デジタルやCG技術が大切になっている日本のアニメですが、アニメーター志望の人が大勢いて、すでにアニメーター職の内定を手に入れている2年生たちに「動かす」事の楽しさを再認識してもらう、アニメーターが頑張っているアニメ作品をいくつも鑑賞してもらいました。

今後は、さらにさかのぼって、まだTVアニメが生まれる前に作られた漫画映画や、さらに、そのルーツを追いかけて数々のアニメーション作品を鑑賞します。その後は、時代を新しくして、今後さらにデジタル技術が発達していってAIが幅を効かせていく時代の流れの中で、私たちは何を求め何を創作していくべきかを考えてもらう話や作品鑑賞を行っていきます。

専門学校大阪デザイナー・アカデミー アニメーション学科はアニメーター育成職業訓練校ではなく

アニメーションの全てに触れて勉強できる学科だからです。

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おでかけひよこ おでかけひよこ まずはオープンキャンパス来てや〜